攻城日記
<<信濃城攻め紀行:8日目>>
僕の勤務先の某社では、勤続10年で「長期勤続者特別休暇」(7日間、軍資金付き)が貰えるのです!こんな会社でも10年も働いてればいいことあるんだね〜。で、念願の信濃への城廻りの旅に行ってきました。ここではその模様を簡単にご紹介します。8日目の今日は松本周辺のお城めぐり。「小笠原デー」になりました。 |
見学先 | 林城(林大城・林小城)、埴原城、松本城、桐原城 |
見学日 | 2002年11月10日(日) |
09:00 | 松本の本陣を出発。最初の目的地、林城へ向うがイマイチ入り口が分からず、暫く迷走する。 | |||
09:40 |
林城(長野県松本市) 主郭の背後は大土塁があり、鉢巻状の石塁も一部で見られる。背後の尾根続きには堀切や竪堀も見られる。大城を後にして、小城を見る。登り口はわかりにくいが、地元の人に沢づたいに登る道を教えてもらう。この方の家の田んぼでは発掘をやっているそうで、ご好意によりのちほど見せてもらうことにする。小城は船のような形の曲輪のへさきにあたる部分の鉢巻状の石垣が非常によく残っている。曲輪の背後の土塁や堀切の規模も大きい。大城と同じく、おびただしい数の小曲輪がある。沢を利用した連続竪堀なども見られた。全体に「小城」という名前から小さな出丸みたいなものを想像していたが、標高が大城より若干低い程度で、規模も遺構も大城よりも見所が多いくらいである。下山途中、大きな池跡を見つけた。さっきの地元の方によれば、かつては満々と水を湛えていたが、崩落して水も涸れてしまったらしい。その方の田んぼでは発掘作業が行われていた。 いくつかのピットが掘られ、石敷きの構造物らしいものも見られる。小笠原氏の居館であったかどうかは不明だが、その可能性もなくは無い、と思うと楽しい。 |
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12:20
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埴原城(長野県松本市) 林城の南方に位置する支城。軍事的な要塞という意味ではこのお城のほうが 林城よりも規模が大きい。武田晴信の小笠原長時攻めで、「イヌイの城」といわれているのがこの埴原城だとも言われている。途中で保留寺に立ち寄って小笠原長時一族のお墓を参拝。埴原城は主郭背後の土塁の規模も大きく、そこから見る堀切の深さは驚嘆。複雑な竪堀が至る所に見られる。周囲には林城でも見られた鉢巻石垣がとてもよく残っている。規模の大きい場所では二段の石垣が総高3m以上、全幅20m以上の規模がある。帰りは別ルートで下山したが、見事な連続竪堀や、谷津奥に築かれた居館らしい場所の石垣などを見つける。ここは凄い。おすすめ。気温は低いが汗だくで下山。 |
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14:40
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松本城(長野県松本市)
言わずと知れた現存天守のお城。大天守に小天守が着いた連立天守のお城。家康の重臣でのちに豊臣に奔った石川数正のころの天守という。松本のお城、といえば普通はココである。「ド平城」である。晴天の中、遠くアルプスの銀嶺に映える下見板張りの黒いシルエットが美しい。
石垣や本丸の船着場、門なども見所がある。肝心の天守に入ってみた。柱の一本一本、梁のひとつひとつをじっくり見たかったが、なんと言っても秋晴れの日曜日、団体さんが山のように押しかけて、とても静かにゆっくり鑑賞できる状態ではない。団体さんのほとんどを占める高齢者には天守の急な階段は厳しいようで、とうとう四階でにっちもさっちも行かない渋滞に身動きが取れなくなる。
床が抜けるんじゃないかと思うほどの人で溢れ、やむなくショートカットして四階から外に出る。団体さんや子供連れの家族のマナーにもちょっと一言モノ申したい気がする。観光地のお城は難しいなあ。。。 |
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15:50 | 桐原城(長野県松本市)
松本城の天守を諦めたおかげで日没までまだ暫く間がある。林城の北方を固める支城、桐原城をめざす。とはいっても陽は傾きかけてるし、場所もイマイチわからない。地元の人に登り口を聞いて攻め始めたころにはかなり陽が沈みかけた。が、強引に登頂。でもこういう行為は自分でもやめた方がいいと思う。。。ここも林城や埴原城で見られた鉢巻石垣が見られるが規模が実に大きい。各曲輪とも石塁で覆われ、石垣の枡形なども見られる。竪堀の突き当りには堀の閉塞用の石垣などもあり、非常に巧妙。また数多くの段曲輪や竪堀、主郭背後の土塁と堀切、など、小笠原氏の関係城郭に共通の特徴を見出せる。「小笠原流」といえば礼法が有名だが、築城法にも小笠原流、があるらしい。駆け足見学だったがここもオススメできる。駆け足登山だったのでまたしても汗だくだ。駆け足の山歩きも本来なら禁物だけど。見学が終わって桐原の集落から松本平を見ると、夕闇が拡がっていた。
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19:00 | 長旅のせいか、あるいは夕方の強引な桐原城攻めのせいか、いつになく疲れた気がする。体が重い。メシ食って早く寝て、明日の帰還に備えよう、そんなことを思いつつ信濃最後の夜は更けて行く。 |