八王子城めぐり

その3:御主殿編

アシダ曲輪から御主殿にかけてはいわゆる山麓居館跡で、よく整備されていて、登山靴でなくても見学できるスポットです。御主殿付近の石垣は発掘後の復原ですが、関東の城には珍しい総石垣のつくりで、西国、織豊系城郭の影響を多分に受けているようです。

落城時には、多くの婦女子が命を絶ったという悲劇の場所でもあります。それを胸に焼き付けて見学しましょう。

あしだ曲輪へ向かう入り口の沢には、明らかに人工的に手を加えた跡があります。 三段のあしだ曲輪。「あしだ」の意味は不明ですが、兵器蔵などのあった倉庫区画だったらしい。
アシダ曲輪の観音堂の土塁。アシダ曲輪には複数の土塁が残りますが、かつては石敷きだったらしい。 城山側対岸の大手道を取らずに高台の「上の道」へ。御主殿に直結する道です。
藪で判然としませんが上の道には堀が。自然の沢を利用したものかもしれません。 広々とした御主殿。かつてはここに豪奢な城主居館がありました。
復原された石敷きの通路。中央付近に櫓門跡が、右上には模擬曳き橋が見えます。 石敷き通路から御主殿の模擬冠木門を見る。門を始めとした建築物はすべて模擬です。
櫓門跡。4つの礎石が見えます。瓦なども出土していて、瓦葺きの四足門だったことがわかります。 曳き橋北側の堅固な虎口。石垣は積みなおされていますが、正面の西側石垣はほぼ発掘時のままです。

八王子城のシンボル、曳き橋越しに要害詰城方面を見上げる。紅葉が絶妙でした。 曳き橋越しに御主殿方面と要害本丸を見る。

曳き橋の下は城山川。橋の袂の石垣を見下ろす。 御主殿の滝入り口には新しい花が手向けられた戦没者慰霊塔が。見学者は彼らの眠りを邪魔しないように。合掌。

ここも見所、「御主殿の滝」。落城時に城内の女がここから身を投げ、城山川が三日間、赤く染まったと言われています。ただ、飛び降り自殺ができるほど高くもないし、下も狭いので真偽の程は「?」です。前回訪問時は水が涸れて殆ど流れていませんでしたが、今回はいい写真が撮れました。なお、この写真の下にも傾斜の緩い滝があり、計三段の滝になっています。
滝の上には石組みの水汲み場が。生活用水の取水場でした。 滝を守るように築かれた石垣。写真撮るのに熱中して落ちないように・・・

その4:大手道・根小屋へ

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