八王子城めぐり
その1:要害編
まずはじめにいくつかアドバイスをいたしましょう。
オススメは今回知った「御主殿ルート」です。御主殿の西北端から登るルートで、斜面の直登に近い険しい道ですが、石段等の段差がないため見た目より歩きやすい道です。なにより、「四段石垣」と通称される石垣群と、隠れ家だった「二ノ丸」、見張り台の「山王丸」などの貴重な遺構が見られるルートです。途中やや道が判然としない場所もありますが、気をつけて登れば迷うことも無いでしょう。とにかく要害地区だけでもかなりの広さがあります。時間と体力は使うことを覚悟して行きましょう。 |
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城下の根小屋地区より見上げる要害本丸方面。比高は約230mです。 | 史跡公園から要害地区への登山口。多くのハイカーはこちらから新道を登りますが、今回は別ルートを取りました。 |
御主殿を西側から見る。この写真を撮った、御主殿西北端に今回の登山ルート(御主殿ルート)があります。 | 御主殿ルートを登って10分弱、最初の石垣群が見えてきます。ここからが「四段石垣」と呼ばれる、この城の見所の一つになります。 |
同じく最初の石垣群。二段になっている石垣の上の段。 | 第二石垣群。ここも二段になっています。曲輪と呼べるほどのものはありません。 |
三番目の石垣群。一番目、二番目のものに比べると幾分規模が大きく感じられます。 | |
最後の四番目の石垣群。ここが一番規模が大きく、石垣の前面には明らかに曲輪の跡があり、また石垣にも虎口風のつくりが見られます。 | |
四番目の石垣群の手前の曲輪。城主の隠し館のあった二ノ丸らしい。大きな石は、氏照が腰掛けて休息したといわれる石。僕もここで一服しました(笑)。 | 山王丸へ向かう道のところどころには石が転がっています。この山は石がふんだんに取れるらしく、石垣に使われた石材も殆どが自給自足の石でしょう。 |
山王丸には大正時代に建てられた巨大な慰霊塔があります。 | 山王丸。山の斜面から突き出した半島状の曲輪で、物見や狼煙台の役割があったのでは?とも思います。写真右下には虎口風の石垣があります。 |
八合目にある「柵門台」。南側の元八王子方面からの道、北側からの陣馬街道方面からの道、山腹づたいに山王丸方面からの道、そして要害本丸への道の4つが交差する防御の要。 | 柵門台から上の道沿いには小規模ながら至るところに石垣が見られます。 |
九合目、高丸手前の石垣。道の内側の曲線に沿ってぐるりと石垣が取り巻いています。 | 九合目、高丸。ここも柵門台と同じく、東からの尾根道、山腹の馬場道、そして写真左から正面へと向かう大手道が交錯する重要拠点。 |
山頂手前の腰曲輪。ここから山頂にかけては比較的広い曲輪が複数集まっています。 | 腰曲輪から一気に尾根上に上ったところの小宮曲輪。三ノ丸に相当。狩野一庵が守備していたが、ここが破られて落城に繋がったと言われる。 |
小宮曲輪から獣道のような尾根上の道を辿ると本丸につきます。本丸はハイカーが集う松木曲輪より40mほど高い位置にありますが、木々に覆われており、訪れる人は殆どありません。なんとなく陰気な雰囲気が漂う、小さな曲輪です。 | 掃除をしていた地元のボランティアのおじさんに教えてもらった中の丸。八王子神社の右側です。 |
その中の丸に残る、掘立て式建物の柱穴。こういうのは地元の人に聞かないとわかりませんね。 | こちらは八王子神社。本丸はさらにこの上ですが、殆どの一般ハイカーはこの辺りまでしか来ません。 |
これも地元のおじさんに聞いた井戸跡。これは八王子神社のすぐ左隣。今でも水が湧いています。 | 多くのハイカーが集う松木曲輪。ここは展望台になっていて、絶景が楽しめます。 |
松木曲輪から見た都心方面。初回の見学時の写真。彼方にうっすらと新宿の高層ビル街が映っています。 |
こちらもはるか彼方、筑波山が見えています。まさに関八州を見渡す、北条の副都心であることを実感できる景色です。 |
元八王子方面を見下ろす。太鼓丸の尾根に守られた城山川沿いの谷津はかつての根古屋地区でした。 | 松木曲輪の直下には家臣屋敷跡の石垣があります。でも、どうもつみなおされているみたいですね。 |