太閤秀吉得意の奇策、一夜城。この場所で、秀吉は関東の戦国時代が終わるのを見ていたんですね。陣城としては本格的な築城ですが、曲輪の数は多くはなく、堀切等も見られず、とくに防御も厳しくはない印象を受けます。やはり、敵を受けて戦う実戦の城、というよりは、小田原城籠城の将兵に「見せる城」だったからでしょうね。こういう城を作ってしまうあたり、秀吉ってのはつくづく酔狂な男だなあ、と思ってしまいます。ま、僕に言わせりゃこの小田原の役で秀吉はオシマイなんですがね(実は秀吉嫌い)。ちなみにこの石垣山城では、秀吉が家康と連れションしながら関東移封を告げた、とか、茶々をはじめ愛妾を呼びつけてエンジョイしていた、とか、千利休やらを呼びつけてのんびりと茶の湯に興じていた、とか、いかにも秀吉らしいエピソードがたくさんあります。
石垣山城は関東大震災のときにかなりの石垣が崩壊したようで、あちこちに崩れた石垣がゴロゴロしていて、考えようによっちゃ結構アブナイです。二の丸・本丸にも崩れかけた石垣はありますが、圧巻は二の丸から狭い道を降りたところにある井戸曲輪と、駐車場入り口から裏に廻ったところにある南曲輪外壁。とくに井戸曲輪は、高い石塁に囲まれた一種異様な空間で、妖気すら漂います。
カーナビの指示に従ってたら、ターンパイクに入っちゃいました。ちなみにターンパイクから一夜城には行けません。しょうがないから先に山中城まで走っちゃいました。
石垣山一夜城めぐり