千本城 簡易概念図

(2003.03.23 作図:越後ノ丸)

毎度、素晴らしい概念図を描く余湖さん(余湖くんのホームページに刺激されて、チャレンジしてみました、千本城概念図。歩測も簡易測量もやっていないし、そもそもどこまでが城域なのかもはっきり分からなかったのであくまでも「イメージ」ではありますが、ご了承くださりませ。

上総松丘駅から久留里街道に向かって踏切を渡ると、久留里街道の向かいあたりに「千本城址入口」の石碑がポツンと建っています。その道をまっすぐ進むと神社があり、神社裏手あたりで道路が細い砂利道になります。この砂利道の境目附近の左手、炭窯やヤグラらしき穴があるあたりが登り口です。登り始めてすぐ、道が二股に分かれてちょっと迷いますが、左手の道には鳥居が見えるはずですのでそちらを登りましょう。多少急な場所はありますが、神社の参道になっているため道は比較的整備されていて歩くのはさほど困難ではありません。

この道を約10分ほど登ると、主郭南部の堀切1に至ります。道が堀切の中腹を横切っているためあまり大きく見えないかも知れませんが、ちょっと離れて見ると巨大な堀切であることがわかると思います。

主郭には北野神社があり、背後には土塁らしきものがあります。しかし、神社の背後などにはこうした土盛りが多いため、土塁かどうかはイマイチ判断できませんでした。この主郭の東西は非常に急斜面で、特に西側は裾を切り落としたような崖になっています。北西側の尾根続きには一段低く腰曲輪が見られます。

神社の背後には堀切でもあるかと思いましたが、数段の段差(腰曲輪?)があり、その背後は薮化していて全体像は判然としないものの、広い空間がありました。ここがいわゆる二郭にあたるかどうかはわかりません。主郭との境目の西側はほぼ垂直な崖になっています。薮化しているので、足許に十分注意しましょう。この曲輪の中央付近には穴ボコがあり、「井戸?」とも思いましたが、単なる倒木の痕跡やヤマイモ掘った穴かもしれません。

この曲輪から、北東方面に下りる道らしきものがありますが、道は途中で消えてなくなり、谷津が入り組んだような地形の傾斜地に至ります。ここは広さはあるもののかなりの傾斜地であり、かつ湧水があるのかジメジメした湿地のような場所です。主郭背後の曲輪とは、堀切ではなく削崖(切岸)で区画されていたようです。

いったん堀切1まで戻ります。堀切の東側には神社参道から北へ向かう道と、南へ向かう道の二本が分かれています。この道はとても細いため、夏草に覆われる時期にはちょっと歩くのが難しいかもしれません。とりあえず北に向かいます。この附近は帯曲輪のようにも見えますが、図のようにはっきりした削平地ではありません。主郭の西側斜面の裾は垂直削崖により完全に垂直に切り立っています。斜面の裾の岩盤を垂直削崖とすることで、主郭への取り付きを完全に不可能にしています。ここから見上げると主郭の表土が崖の上に飛び出している(オーバーハング)のがよくわかります。くれぐれも崖端に近寄らないように。

このまま北に向かうと尾根が北西に伸びています。主郭西側の腰曲輪と、その尾根続きを区切る堀切4もかなりの規模があり、しかも堀切断面は岩盤をやはり垂直に近く削りたてています。ここから西の尾根に向かうと、道は尾根より一段下を通ります。ちょうど右手に見える尾根が、土塁のような役割(尾根土塁)を果たしています。その先は痩せ尾根の上に出ますが、ここも非常に急崖かつオーバーハングがありますので、歩くのには注意が必要です。この痩せ尾根の先は未踏査です。

いったん堀切1に戻り、今度は南に向かいます。すると程なく堀切2が現れ、道はその堀切を通って尾根の東側に出ます。この堀切は、堀切兼切通しの虎口なのでしょう。この堀切2の東側には、土塁枡形のような地形がありますが、正直なところ判然としません。道は東南に向かって降りていきますが、ここから先は未踏査。替わりに南に伸びる尾根筋を歩きます。この尾根筋には、尾根を垂直に削り残した尾根土塁が延々と続いています。土塁の上はやや広い場所もありますが、曲輪や櫓台、というほどの空間はないように思えます。この尾根土塁は数箇所、小規模な堀切によって区画されています。

そしてこの南尾根南端が堀切3、これはもう堀切と呼んでいいのかどうか。。。。とにかく幅、高さとも尋常ではなく、しかもほぼ垂直に削りたてられているため、さすがに降りる場所が無い、というか、降りようという気が起きません。そういうわけで堀切3より南側には行けていません。しかも足許もかなり危なっかしく、一度ズルっと滑ったときには「これでオシマイか!」と思ってしまいました。とにかく殺人的なスゴさの大堀切です。果たして自然地形を利用したものなのか、後世に何らかの理由で掘り下げたものかはわかりませんが、半端な大きさではありません。このあたりは危険度でいうと、峰上城の七ツ堀切や殿井戸、大多喜城本丸南側の垂直削崖に匹敵します。見学の際に最も注意を要する場所です。くれぐれもご注意ください。

居館推定地はよくわかりませんでした。大手道も、現在の神社の参道ではないような気がします。

どちらかというとマイナーなお城であるとは思いますが、里見・正木系、あるいは上総武田系城郭でよく見られる手法がふんだんに使われています。できれば山歩きに慣れてる人と一緒に見学した方が安全でしょう。

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