新発田城散策(1)

本丸周辺

新発田城には重文に指定されている「本丸表門」と「旧二ノ丸隅櫓」の二基の現存建築があります。これは新潟県内唯一の現存城郭建築遺構です。そして平成十六年、新発田市民の熱い思いが稔り、いよいよ三階櫓と辰巳櫓が復元されました。全国唯一という三匹の鯱を戴く変則三階櫓、そして堂々と聳える辰巳櫓、どちらも職人の技術を結集した本格復元です。どうせ復元するならやはり本格的に、という流れは定着しつつあり、喜ばしいことです。ぜひ、見に来てくださいませ。一度はおいでよ新発田城!

新発田城周辺地図

(現地案内板より:クリックすると拡大します)

現存する本丸表門。堂々とした櫓門ですが、海鼠壁がちょっとしたアクセントになっています。 こちらは冬の表門。雪国情緒といえば聞こえはいいが、寒いわ雪は吹き付けるわ、写真一枚撮るのが一杯一杯でした。
本丸鉄砲櫓跡に移築された旧二ノ丸隅櫓。表門とあわせて、二基の重文現存建築物があるのが新発田城の魅力のひとつ。 その二ノ丸隅櫓の雪景色。この寒いのに、水鳥たちは堀の中で何をやっているのだろうか。。。
これぞ復元された三階櫓。一見、普通の三層の櫓に見えますが、屋根の形がとても個性的です。 正面から見る三階櫓。右手の鯱がまるで寝グセでハネた髪の毛のようだ(笑)。
この角度で見ると三匹の鯱がバッチリ見えます。写真左手は自衛隊敷地。あらかじめ見学願いを出しておけば、敷地側からも見られるそうです。 辰巳櫓から望遠で見た三階櫓。裏側は破風もなくあっさりしていますが、屋根の不思議さがより際立ちます。右手下には「つのや」と呼ばれる張り出しがあります。
三階櫓の屋根を華やかにする、三匹の鯱たち。一体一体、熟練した職人による手作りの芸術です。 この日(2004.07.25)は開場式・登城式が催され、多くの市民がまっいました。皆様、竣工おめでとうござりまする。
いつにも増して無理やりなパノラマ合成写真。三階櫓や隅櫓だけでなく、高度な技法で積み上げられた切込みハギの見事な石垣や、美しい水堀も見て欲しいです。あやめの季節には堀一面に花が咲いて綺麗だ、といいますが、その時期にはなかなか帰省できず、ちょっと悔しいかも。

こちらも復元された辰巳櫓と、本丸表門、二ノ丸隅櫓方面を見る。冬枯れの時期のほうが三棟綺麗に一枚の写真に収まるかも。 二層ながらも堂々とした辰巳櫓、なんとなくスマートなイメージだった新発田城に、どっしりとした重量感というか、力強さが加わった気がします。
オープニングイベントで大盛況の辰巳櫓内部。展示室になっていて、ガラス張りの床から礎石を見ることも出来ます。 鐇(手斧・ちょうな)仕上げによる辰巳櫓の天井の梁。木材も国産の高級材を惜しげもなく使っています。
本丸に建つ、藩祖・溝口伯耆守秀勝公の像。ちなみに城下の人は、溝口公に畏れ多いということで「箒」のことをホウキとは言わずに「ナデ」と呼んだそうです。 本丸の大部分は自衛隊敷地に。それでも、以前よりは敷地も割譲してもらったようで、立ち入れる範囲も広がりました。
本丸表門の内部。まるで武道の道場のようです。 表門の石落し、というか「槍落し」とでも言うほうが正確なのかな。
旧二ノ丸隅櫓内部。えてしてこうした櫓の内部っていうのは薄暗くて殺風景なもんです(笑)。 じーさんばーさんも思わず「ほほ〜っ」と見上げる堀部安兵衛の像。溝口秀勝公の曾孫にあたり、数奇な運命の後、あの「忠臣蔵」に名を残しました。
車道になってしまっていますが、表前の土橋門も石垣や土塁があります。一種の馬出し的な空間です。新発田城で唯一の土塁遺構でもあります。 土橋門わきには瓦の破片がいくつか見られます。これは赤瓦だったようです。

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