攻城雑記その21

嗚呼、鉢形じょ〜ぅぃ(T_T)

2003.07.16

ちょっと前に「国指定史跡・小田城を問う」と称して、小田城の現状について問題を投げかけた。

こんどは鉢形城である。

鉢形城は現在、史跡公園化を目指して発掘・整備が続いている。この度、久々に行く機会があり、現状を見てきた。鉢形城の頁で「・・・方向性がちょっと不安・・・」などとエラソーなことを書いてしまったが、不幸にしてそれが的中してしまった。

もちろん、史跡公園化するためにはある程度の「整備」は止むを得ないし、それが「破壊」や「改変」でなければむしろ、広く史跡の価値を知らしめる、という意味ではこうした公園化には賛成である。しかし、そのバランスは難しい。もちろん地域住民への生活上の配慮も必要であろう。しかしこうした一見相反する事柄についても、バランスよく実現している場所はたくさんあるのである。よく言われることだが、今回、「史跡保護には現状維持が一番」という言葉を改めて思い出した。草刈をして、最低限の通路を作って、ある程度の解説板や標柱を建てるだけでも、立派な城址公園になると思うのだが・・・。

以下、現状を見てきたままの感想レポートである。断っておくが、あくまで筆者本人の現在の感想であって、これから素晴らしい公園になるのかもしれないし、他の考え方の価値観を否定しようとは思わない。あくまでも個人的感想として読んでいただきたい。また、今日現在、この件に関して地元自治体や国の言い分は取材していないので悪しからず。

なんかイマイチ不安だったんだよな、鉢形城の整備。でもまさか的中しちゃうとはなぁ。。。

去年見に行った時に、前年の発掘調査跡を派手に建機が埋め戻していた。

2002年1月20日撮影

で、その現状、2003年7月13日現在である。まずはこれをご覧あれ。

写真1

一応、土塁の内側に複数段の玉石垣列が出たのは本当である(詳しくは鉢形城の頁もごらんあれ)。だから、必ずしも史実に忠実で無い、というつもりはない。でも、復元するとなんでこうなっちゃうんだろ。しかも、

写真2

写真3

という有様である。なんつう工事の仕方しよるねん。。。また、

写真4

写真5

このあたりは城址公園では定番化している。

ちょっと目を逸見曲輪へ移して見ると

写真6


どうやら排水口を作って、表土流出防止のために石を埋め込んだらしい(推測)。しかしなにもこんなに不恰好にしなくても。。。せめて外曲輪の土塁と堀が健在であることを祈って深沢川を渡ってみると・・・

写真7


・・・・憤死・・・・。しかもこれ、出入り口を作るために土塁の端を崩してスロープにしているのである。

今思えば、こうなる前の鉢形城を見ておいて正解だった。。。

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