日本を代表する、中世山城の完成形。その石垣の壮大さ、美しさ、まさに筆舌に尽くしがたいお城です。しかも、冬季の晴れた朝には、写真のような朝霧に包まれた「絶景」が見られます。これをみることができただけでも、車中一泊、16時間かけて行って来た甲斐があったというもの。急斜面にせり出した石垣が雲海の上に浮かぶ様は、まさに「天空の城」でした。
この絶景を見るために、広域天気予報、気温予想などを見て、絶対に朝霧が出ると言う「万全」の確信を持ちましたが、結果はご覧の通りドンピシャリ。乳白色の朝霧の中に浮かぶ累々たる石垣の列、それはまさに「天空の城」と呼ぶにふさわしいものでした。しかし、朝の7時前だというのに、山上の石垣には多くのカメラマンがズラリと並んで、さながら「初日の出」を待つ人々のようでした。
いつもなら「石垣の積み方がどうの」とか「虎口の形がどうの」という部分部分を見て歩く僕ですが、ここではさすがにこの絶景にしばし見とれてしまいましたね。しかし、この山上にこの夥しい石垣。。。「田に松が生えた」と伝承される、築城に関わった民衆の苦労、それを冷酷に遂行した権力というものの凄まじさ、人間のやることっていうのは本当にスゴイ、というか過酷、というか。。。絶句してしまいますね。この、中世山城が近世城郭に発展する一瞬の輝きを四百年以上の時を経て今なお伝え続けてくれる竹田城、ソレガシ的には「世界遺産級」と考えています。
とにかく、じっくり見てください。そして、機会があったら、訪れて見てください。満足度100%を保証します。
なお、結構問い合わせが多いので霧のことについて記載しておきます。「城をめぐる 兵たちの夢跡を歩く」(マガジントップ/山海堂)という本によると「山麓を流れる円山川から朝霧がのぼるのは、10月下旬から12月中旬のよく晴れて冷え込んだ翌朝が多いという」「霧が立ち上るのは、前日よく晴れて夜半冷え込んだ夜明け、朝8時頃まで続くことも。」とのことです。秋口の西高東低の、冷え込みの強い朝を狙うのがよさそうです。ソレガシが行った日も同様の気象条件でした(狙い的中!)。霧は8時半くらいまで残っていましたが、晴れるときはほんとに一瞬、あっという間という感じでした。霧は風に煽られて刻々と変化するので、できれば天守台あたりから定点観測で暫くその変化の表情を楽しむのがいいでしょう。なお、このシーズンにはお城ファンのみならず、写真ファンなども押し寄せるので、早朝から撮影スポットを確保したほうがいいでしょう。