山麓の織姫公園という総合公園から登山道が伸びています。この登山道は、比高差はそれほどでもないのですが、尾根上を激しくアップダウンしながら登っていきます。しかも足元は岩だらけなので、登山に慣れていない人は時間に余裕を持って行きましょう。僕はこの後、足利氏館に行きたい一心で、早足で登りました。いやはや、疲れた。
以前は足利氏の詰の城かと思っていましたが、足利氏とは直接関係はないそうです。もともとは藤原秀郷の孫が篭った要害といい、戦国期には足利長尾氏が再築城したものです。現在の遺構はこの長尾氏のものでしょう。とは言っても、戦国後期に多く見られるような大規模な防御施設は殆どなく、尾根筋を何本かの堀切で断ち切っている以外は、自然の地形頼みの古めかしいスタイルの城です。南北朝期の城のようでした。
堀切は登山道のある南の尾根筋に3本、西の尾根筋に1本、北の尾根筋に3本あります。このうち西の堀切と北の本丸寄り堀切は規模が大きく状態も良いため、一番の見どころです。逆に他の堀切は殆ど埋まってしまっていますが・・・
本丸周囲には石垣風の石積みが数箇所に見られますが、これが遺構なのか、後世に神社を建立した際のものなのかは不明です。おそらく後者でしょう。
ところどころ眺望ポイントがあり、唐沢山城と同じく遠く都心の高層ビル街や富士山がバッチリ見えました。
[2004.06.13]