こりゃ城じゃないです。単なる岩山、修験道の山です。しかも、どこもかしこも急斜面で、鎖や梯子、あげくは「竪穴」を通り抜けて登っていくという、無茶な山です。城めぐりで多少危険なところや藪の中を歩きなれた僕も、正直言ってビビりました。「岩櫃城の支城」という名誉ある肩書きがなかったら、決して登ろうとはしなかったでしょう。しかも、くるぶしまで埋まるほどの落ち葉のせいで滑るのなんの。「ズルっ」といったらもうオシマイですからね。久々に緊張しました。
肝心の遺構はというと、わずかの削平地らしきものがあるのみで、ここに城、あるいは砦があったことを伺わせるものはありません。その削平地も、なぜか岩櫃城とは反対側の北に向いているので、頂上に上らない限り岩櫃城方面を伺うこともできません。この場所じゃ、配置可能な兵員の数もたかが知れているし、いざというときに急峻すぎて出撃能力に優れているとは思えないし、いったい何のための砦だったのでしょうか?まあ見晴らしはいいので、狼煙中継点や、忍びの者を入れておく諜報拠点としては役に立つかもしれません。まあ、わざわざ危険を冒してまで見に来る場所じゃないです。とくに雨の後とか霜の降りた朝なんかはやめといた方がいいでしょう。。。