攻城雑記その4

嗚呼、模擬天守

13/03/04

「町興し」と称して、あるいは「資料館」と称して実在しなかった天守を建ててしまう・・・。まあ気持ちはわからなくも無いですよ。「土塁と空堀」よりは「石垣と水堀」の方が絵にもなるし、なんにも建物がないよりは、模擬でもなんでも天守や櫓があったほうがカッコイイだろう、観光客も集まるだろう、ってね。

でもね、城って天守だけじゃないのよ。白亜の天守と金のシャチホコだけが城じゃないのよ。まして戦国期以前の城であれば、そんなものがあること自体が不自然でしょう。もともと存在しない天守を高々と上げても、そりゃ変なだけだよ。あの醜悪な天守もどきは、見学する気を無くさせますね。

僕は百歩譲ってそれも許すとして、許せないのはわざわざ現存する遺構を壊してそういうものを作っちゃうところ。酷いところになると、もともと残ってた土塁やら堀やらをほじくり返して、今風(?)のハリボテ城をおっ建てちゃって、城址としての歴史的価値が限りなくゼロに近くなっているところも。全然関係無い大坂城とかの鉄筋コンクリート製コピー天守なんか作っちゃって。コンクリが悪いとは言わないし、作りたいなら勝手に作ってもらって構わないけど、それを本物の城址の上に建てるなよ!せっかく残ってる城址を破壊すんなよ!作るなら別な場所に作れ!別な場所に作って「資料館」なり何なりと称して、「城址」を名乗るなよ!いいよ作っても。ちゃんとした資料館なら僕だって喜んで見に行くよ!でも城址の遺構の上に建てて、それも資料館ならともかく、「地域振興センター」だったりしたらもう最悪。そういう見識の低い町は、火を放って田畠薙ぎをするしかない(やめろって)。

すくなくても、由緒正しい城址の上に、醜悪なコンクリ天守を建てるのだけはやめましょう。ねっ、墨俣町長

 

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