この城の最大の特徴である壮大な石垣は新幹線の車窓からでもはっきり見えるほどで、東北三名城の名に恥じぬ素晴らしいものです。全体に白っぽい御影石が使われているのが特徴で、これまで見た石垣の中でも江戸城や津山城に勝るとも劣らぬものでした。南部氏の20万石の財力でここまで石垣を築き上げるのは、決して楽ではなかったでしょう。ただ、三の丸から本丸に至る城域は思いのほか広くなく、各曲輪も意外に小ぢんまりしている印象があります。また、二の丸・三の丸を取り囲むように高石垣の腰曲輪が廻っているのも特徴の一つでしょう。
城跡は例によって公園になっており、市民の憩いの場として親しまれています(すげー決り文句)が、ひとつ不満なのは城址としての解説・案内が極端に少ないこと。門跡にも、櫓跡にも、この城の特徴だった百足橋や三重の廊下橋跡にも、な〜んにも書いていない。あるのは各曲輪の石碑だけ。これじゃ、自分が今立っている門の位置関係や名前すらわからず、あんまり城ファンには親切とは言えません。城内に移築現存されている土蔵にさえも解説が無いのは、ちょっと問題では?
それから、現在は一部で石垣の補修工事をやっています。見事な石垣ではあるのですが、所々見た目にもわかるくらいたわんでたので、危険防止、ということでしょう。古い石垣が新装されてしまうのはちょっと寂しいですが、危険防止のためなら止むを得ないでしょうね。