【三舟山（千葉県）にて】　2003.09.23
よっ！おいおい、俺の顔見ただけで、そんなに驚くなよ。それにしてもアンタも好きだねぇ、こんな俺たちがウヨウヨしている山の中まで入って来ちゃってさ。でも大丈夫、俺、シマヘビってんだよ。俺は毒なんか持っちゃいねえからさ、俺に出会っても逃げるこたぁねえさ。取って食いやしねぇよ。そもそも俺たち、スネークのくせにハートはチキンなもんだから、アンタらの足音が聞こえるだけで勝手に逃げちゃうわけよ。アンタらには全く危害なんか加えねぇから、そんなに驚かねぇでくれよ。
ただよ、俺たちの仲間でマムシってヤツはよぉ、動きがトロイんだ。だから逃げ切れなくて、つい逆ギレして噛み付いたりするんだよな。アイツ、結構な毒持ってるから、気をつけたほうがいいぜ。構わねぇのが一番だな。あとはヤマカガシっていうヤツ、こいつらも俺と同じチキンハートな野郎なんだけどさ、滅多に怒らねぇくせに実は猛毒持っていやがるんだ。基本的にはおとなしい野郎だから、こいつも見かけたら構わねえでおいてくれよ。勝手に逃げてくからさ。
俺たち、なるべくアンタらに迷惑掛けたくねぇとは思ってるんだ。俺たちのこと見かけても、頼むから放っておいてくれよ。勝手に逃げるようにするからさ。それにさ、よく見ろよ俺の顔、この目、この口、なかなかイカしてると思わないかい？

埋もれた古城　表紙 上へ